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サイト開設のお祝いにステキなイラストをいただいたので
何か私からもお返しできないかとイラストを描かせていただきました。
もみじ様宅の中でも私が大好きなお話の「バレンタイン小話」から作成。
かわいいやきもちとか、大好きです。
2人のやりとりがとってもかわいいのです!
SSの転載許可もいただきましたので、
つづきよりSSとイラストを展示しております。
もみじ様ありがとうございました!^^*
もみじ様のお宅はこちら「hi-hoo」
※展示しておりますSSは無断転載禁止です。
バレンタイン小話
「あ、あきひ…じゃなくて真田先輩~」
学校の渡り廊下を歩く真田を、あやめは慌てて追いかけ呼び止めた。
「ん?」
2月14日。3年生はもう授業に出なくてもよいのだが、真田はたまたま用事があって学校に来ていた。
そして重そうな紙袋を肩に担いでいる。それはもちろん、チョコレートの山だ。
「ね、先輩はもう、チョコなんか、もういらないよね?」
「ん?」
なにやら無駄にニコニコしているあやめをみて、真田は片眉をつりあげる。
「甘いものそんな好きじゃなかったし、そんなにもらっちゃってるから、もう、いいよねっ」
「…あやめ。何がいいたい?」
「えっと~。」
いつもと違い煮え切らない様子のあやめに、真田は先にたって廊下から中庭へ降り、手招きをした。
柿の木の下、まだ若い木なので人目からすっかり隠れるわけでもないが、廊下で話しているよりはマシである。
「で?…コレが気に食わないのか?まさか捨てるわけにもいかないだろう?」
「いえ、そういうわけじゃ…。」
あやめの手に目をやると、ピンクのリボンがついた、小さな紙袋を持っている。
「それ、俺のじゃないのか?」
「うっ。ううん、違うのっ。違わないけど違うのっ」
「何だ、それは。」
真田の面白がっているような顔に、あやめは赤くなって顔を伏せた。
そう、真田に渡そうと思い、風花と一緒に料理部で手作りチョコを作っていたのだ。
だが…。
「どっちでもいい。それがチョコレートなら、俺がもらうぞ。」
「ああっ、だめっ!やっぱりだめっ」
紙袋をひょいと取り上げられたが、あやめは慌てて取り戻す。
「おい、まさか他の男にやるものだとか、いわないだろうな。」
真田が少し怖い顔になったので、あやめは慌てて首を振った。
しかし、納得いかない様子の真田はそのままじっと小さな白い顔を見おろしている。
怖い顔ではなくなったが、ある意味、一番怖い、とあやめは思う。
まつげばさばさで澄み切ってるのに妙に色気のある銀の瞳でじっと見つめられて、
平静でいられる女の子はきっとそういないと思うのは彼女の欲目だろうか。
あやめは観念して紙袋をがさがさと開くと、形のいびつなトリュフチョコをひとつつまみ出した。
「何だ?」
「これしかないの。」
「?」
つまりこういうことだ。もちろん手作りでしょうとはりきって作ってたのはよかったのだが、
失敗して落ち込む風花に自分の分をわけ、チョコの匂いを嗅ぎ付けてやってきた順平に奪われ、
お世話になっているお礼と小田桐に渡し、友近のために何も用意していないという理緒に押し付けて、
なんてやっているうちに気づけば残ったのはほんの3つぶのトリュフ。
そして、予想通りとはいえ山ほどのチョコレートを担いでいる真田を見かけて、
急に自分のチョコレートが恥ずかしくなったのと、
真田の性格から考えるとバレンタインなんてイベントはうるさいだけだろうし、
好きでもないものをもらっても迷惑がるだけだろうしなんて思うと、渡す勇気がなくなってしまったのだ。
「だから、それは俺のだろう?」
「でも、…だって、こんなのしか」
「いいからくれ。」
真田はあやめのトリュフをつまんでいる手をつかむと、指先ごと口に咥えた。
「あっ。あきひこ、指っ指っ」
そのまま、チョコレートのついた指先をペロリとなめる。
「俺はこれがいい。」
また、何つーこっぱずかしいことを真顔でするんですかっこの人はっっ(゚д゚)!
「残りは帰ってからくれよ。」
ゆでだこのようになったあやめを引き寄せ、真田は耳元の口を寄せて囁く。
ただそれだけの言葉なのに。彼が立ち去った後、あやめは足から力が抜けて、
柿の木に寄りかかった。その体重にしなった柿の木から、葉っぱが一枚、ひらりと落ちた。
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