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ACAの水茄子様より真ハムSSをいただきました^^
当サイトで挑戦中の星の輝きに十題 03. 言葉を残して消えていったで盛り上がった会話、
水茄子様「ダッシュ→言い放つ→ダッシュで捕獲。面白いかも」
hekiu「是非読みたいです書いてくださるんですよね(゜0゜」
水茄子様「しょうがないわね。書いてやらないこともないんだからね!」
hekiu「ひゃっほーーー!」
※この会話はかなり捏造されたものです。
と、いう経緯で凄くかわいいお話を書いていただきました。
ハムの設定はACA様宅奏ちゃん設定です^^
追いかけるシチュというのはとても心搔きたてられませんか。
2人のやりとり、雰囲気がかわいい!
水茄子様ありがとうございました!
つづきを読むよりどうぞご覧ください。
※掲載されているSSは無断転載を禁止しております。
ウサギの背を追いかけて
部室棟へと向かう廊下を、奏は最高速で歩き抜けた。
立ち話をしていた小田桐が走るなと言いかけた口を苦笑いで閉ざすのに、
ゴメンと片手だけ上げて、扉へと急ぐ。
遅刻ペナの基礎メニュー2倍だけは、避けたい。
あと、何分何秒?
綺麗な笑顔でそれを命じる理緒の顔を思い浮かべると背筋が冷える。
時間を確かめる時間も惜しんで、競歩というには浮き気味の足をとにかく前に進め、
扉に半ば体当たりしながら渡り廊下へと踏み込んだ。
ここからはもういいだろう、とギアを切り替えて走り出そうとした時、視界に真田の姿が映った。
走り出した奏を見て、笑いながら道を空ける恋人に、いたずら心が沸く。
0.5秒で計画の検討と採決を済ませ、周囲の確認をしてから速度を上げた。
ピー、目標地点を変更します。
部室、から、真田明彦、へ。
…距離、3メートル。
真田の前を走りぬけると見せかけたその1歩手前、タン、と足を踏み切って方向を変え、右腕にしがみつく。
「すき」
さすがに傾いだ体から即座に身を離して絡めた腕を解き、今度こそ最高速で部室へと再スタートを切る。
2秒。
想定より早く、後ろの気配が動き出した。
だが、振り切る!
ダン!
部室の扉に手をついたのは、奏の方が早かった。
しかしその首根っこは真田の手に捕らえられている。
荒い息を整えながら首を傾け、「どうしました?」とそ知らぬ顔で言うが、真田は答えない。
「あっ、有里、その…」
ようやくそれだけを搾り出して、かつての目標は完全に沈黙した。
反射で捕まえただけで、何も考えてなかったんですか。
あまりに真田らしい動きについ笑い出しそうになるが、現状はそれなりに逼迫している。
時間が無い。あと…恥ずかしい。
ミッションその2、三十六計逃げるに如かず。
two, one, GO!
制服の裾を押さえ、体重を思い切り下に落として、襟元を握っていた真田の指を引き剥がす。
と同時。
「す、好きだ!」
と、同時。
部室の扉が内側より開かれた。
「ご、ごめんなさい!」
バタム、と理緒によって勢いよく閉められた扉の音と声が反響して、また暫く沈黙が流れた。
「…先輩でも、振られるんですね」
「俺はお前に振られなきゃいい」
真田は先ほどの一言で開き直りモードに入ったらしく、妙に堂々とそう言い放ってから、
まだ何か言おうとするように口を開いた。
「じゃあ私部活なんで!」
それを遮り、体を起こしながら転がり込むように部室に入ると、顔を真っ赤にした理緒が、
部屋の中をうろうろと歩き回っていた。
「理緒…」
嘆息がてら声をかけると、その顔色が今度は真っ青になる。
ああ結局恥ずかしい思いをさせられるのね。
「さっきのはね…」
頭の片隅でミッション失敗の理由を考察しながら、惚気にしかならない事情説明の口火を切った。

